特集 血菅炎症候群のすべて
4 小型血管炎・ANCA関連血管炎
小型血管炎に伴う肺病変の画像診断―ANCA関連血管炎以外の小型血管炎
立石 宇貴秀
1
,
土屋 純一
1
,
町田 洋一
1,2
1東京医科歯科大学 放射線診断科
2亀田メディカルセンター 放射線科
キーワード:
十型血管炎
,
肺病変
,
ANCA
Keyword:
十型血管炎
,
肺病変
,
ANCA
pp.1143-1149
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001735
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
血管炎症候群で肺病変をきたす場合,つまり小型血管炎を主座とする疾患では多彩な画像所見を呈する。中でも抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)が関与する抗好中球細胞質抗体関連血管炎(ANCA-associated vasculitis:AAV)の肺病変は有名である。ミエロペルオキシダーゼ抗好中球細胞質抗体(myeloperoxidase-ANCA:MPO-ANCA)は顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA),好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)のプロテネース3抗好中球細胞質抗体(proteinase3-ANCA:PR3-ANCA)は多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)の診断に有用であり,特徴的な画像所見が知られる(図1)。これらに関連した肺疾患の画像所見の詳細については別稿を参照されたい。一方で,これらの抗体が正常範囲内の小型血管炎も存在する。本稿ではANCA関連血管炎以外の小型血管炎を中心に小型血管炎に伴う肺病変の画像診断について述べる。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.