連載
日常診療で押さえておきたい放射線の基礎知識 第4回 確率的影響の考え方
古川 恭治
1
,
土肥 佐和子
2
,
井上 真由美
3
,
平田 秀紀
4
1久留米大学 バイオ統計センター
2同 認定看護師教育センター
3聖マリア病院 診療放射線室
4同 放射線治療科
キーワード:
DNA損傷
,
修復ミス
,
突然変更
,
発がん
Keyword:
DNA損傷
,
修復ミス
,
突然変更
,
発がん
pp.1257-1261
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001426
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X線やガンマ線などの放射線は人体(細胞)に当たると,細胞中の物質にエネルギーを付与して電離を引き起こし,電子(イオン)を発生する(電離放射線)。放射線によって生じたイオンは周囲にエネルギーをまき散らし(線エネルギー付与),ラジカル(活性酸素種)が作られる(間接作用)。ラジカルは,化学的に不安定で反応性が非常に高く,周囲の原子と反応する際に,異常な化学反応を起こしたり,細胞内に局所的な傷を作ることがある。その結果,様々な生物学的影響をもたらす。放射線の人体影響は,影響の発生する線量の程度により,確定的影響(deterministic effects)と確率的影響(stochastic effects)に分かれる。
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