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日常診療で押さえておきたい放射線の基礎知識 第8回 確定的影響と最適化・IVR
井上 真由美
1
,
土肥 佐和子
2
,
古川 恭治
3
,
平田 秀紀
4
1聖マリア病院 診療放射線室
2久留米大学 認定看護師教育センター
3同 バイオ統計センター
4聖マリア病院 放射線治療科
キーワード:
放射線
,
確定的影響
,
最適化
,
IVR
Keyword:
放射線
,
確定的影響
,
最適化
,
IVR
pp.297-302
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001547
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近年急速に普及しているinterventional radiology(以下,IVR)は,透視下で標的となる全身の臓器や血管病変までカテーテルを進めて,圧倒的に少ない身体負担で治療ができる方法である。対象となる主な部位は,脳(脳動脈瘤・急性脳梗塞),心臓(冠動脈・大動脈)および腹部(外傷・癌)であり,全身に対するIVR治療が行われている。よってこれらの手技には,放射線科だけでなく,脳血管や循環器領域の診療科の医師も携わっており,統一した考えのもとで被ばく管理・研修を実施する必要がある。そして,同一部位への透視・撮影,短期間での複数回の治療なども増加しており,皮膚障害や脱毛などの有害事象が生じる可能性があることから,改正医療法施行規則(2020年4月1日施行)では,血管造影検査およびIVRで使用する据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置など(以下,DSA装置:digital subtraction angiography装置)は線量管理および線量記録を行うよう規定された。
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