連載
日常診療で押さえておきたい放射線の基礎知識 第1回 医療法改正と関連した放射線被ばくの考え方―医療被ばくは適正に管理されているか?
平田 秀紀
1
,
井上 真由美
2
,
土肥 佐和子
3
,
古川 恭治
4
1聖マリア病院 放射線治療科
2同 診療放射線室
3久留米大学 認定看護師教育センター
4同 バイオ統計センター
キーワード:
放射線被ばく
,
法令
,
医療法改正
Keyword:
放射線被ばく
,
法令
,
医療法改正
pp.697-699
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001296
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近年の医療の中で放射線を用いた診断や治療は必要欠くべからざるものとなっており,その使用はますます広がっている。このように放射線は便利で有用なものであるが,一方で人体に有害な「放射線被ばく」という側面ももっており,「放射線は両刃の剣」と例えられる。日常診療においては病院などの建物は厚い壁により防護され,職員はもとより出入りする不特定多数の人の公衆被ばくも安全管理されている。さらに医療スタッフはその職業被ばくについては個人線量計や健康診断で安全管理されている。公衆被ばく・職業被ばくはともに線量限度が設定されている一方で,患者・被験者はそのメリットが放射線被ばくのデメリットを上回るという医療の特性が生かされる限り線量限度はない。我が国ではこの患者・被験者の被る医療被ばくが多いことが指摘されているが,これは日本の医療レベルが高いことの裏返しでもある。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.