Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
肝臓は悪性腫瘍の血行性転移好発部位であり,転移性肝腫瘍(肝転移)の存在は患者の予後・治療方針に大きく影響する。遠隔転移のある症例に対しては全身薬物療法が中心的な役割を果たす一方で,少数転移(oligometastases)の場合には生命予後の改善を目的に転移巣に対して局所治療を行うことがある1-4)。大腸癌肝転移はその代表であり,「大腸癌治療ガイドライン2019年版」5)でも根治切除可能例には肝切除が推奨され,切除不能例に対しても放射線療法が全身薬物療法と並んで記載されている。現在我が国では,由来となる原疾患(悪性腫瘍)によらず,転移性肝癌(直径が5cm以内で,かつ3個以内で,かつ他病巣のない)に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)が保険適用となっており,同様に3個以内の転移性肝腫瘍に対して,陽子線治療も日本放射線腫瘍学会の定める統一治療方針に準じて先進医療としての適用を得ている。肝転移腫瘍は由来となる原疾患により放射線感受性が異なると考えられており,例えば大腸癌由来肝転移は放射線治療抵抗性であるとの報告がある6)。また,由来となる原疾患により治療方針は様々であるが,基本的に対象となる症例に対しては全身薬物療法を中心とした集学的治療の施行が重要となるため,肝転移に対する放射線療法には局所制御率の高さと同時に,照射に伴う有害事象,特に肝機能障害を最小限に抑えることで,全身薬物療法の実施や継続の妨げにならないことが求められる。
We analyzed patients with oligometastatic liver tumors from gastric or colorectal cancer who received curative intent proton therapy(PT). A total of 50 patients were included;the primary site was the stomach in 13 patients with 14 lesions and colorectum in 37 patients with 47 lesions. The two-year local control rates of tumors from gastric cancer and colorectal cancer were 78% and 63%, respectively, and the two-year overall survival rates were 69% and 62%, respectively. No severe liver functional decline after PT was observed. We consider PT as a promising option, particularly with regard to safety.
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.