特集 消化器外科医に求められる緩和医療の基本と緩和手術
悪性胆道閉塞に対する緩和手術(1)
鈴木 謙介
1
,
高屋敷 吏
1
,
高野 重紹
1
,
鈴木 大亮
1
,
酒井 望
1
,
大塚 将之
1
1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
キーワード:
悪性胆道狭窄
,
姑息的手術
,
ダブルバイパス術
Keyword:
悪性胆道狭窄
,
姑息的手術
,
ダブルバイパス術
pp.227-233
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004833
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膵頭部癌や胆管癌,十二指腸乳頭部癌などの胆道癌は,腫瘍の増大,浸潤により容易に胆管狭窄,黄疸を生じ,さらに進行例では胃や十二指腸への浸潤による胃排出路閉塞を引き起こす。これらの局所高度進行例では肝主要血管への浸潤などにより切除不能と診断されることも多く,また診断時にすでに遠隔転移をきたしている症例も少なくない。根治的切除の対象とならない場合,黄疸や消化管閉塞の改善のために内視鏡的なステント留置や外科的バイパス術などの姑息的治療が行われるが,侵襲性の低い内視鏡的胆管・消化管ステント留置が選択されることが多い。近年,超音波内視鏡下肝胆道ドレナージ術(endoscopic ultrasound-guided hepaticogastrostomy;EUS-HGS)などの内視鏡技術向上により内視鏡的ステント留置の対象となる症例が拡大しており,各ガイドラインでは悪性胆道狭窄の治療において,内視鏡的ステント留置が第一選択とされている1, 2)。一方で,最も予後不良な疾患の1つである膵胆道癌は近年の集学的治療の試みにより,少しずつではあるが治療成績が向上しており,高度進行切除不能例でも比較的長期の予後を示す症例をしばしば経験する。外科的バイパス術は内視鏡的ステント留置に比べ再狭窄が少ないと報告され3, 4),予後の良い症例に対する外科的な介入の有効性が改めて注目されている4, 5)。

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