特集 困難症例に対する消化器内視鏡外科手術(小腸・大腸)
高度肥満を伴う直腸癌症例に対する内視鏡外科手術
江本 成伸
1
,
石原 聡一郎
1
1東京大学腫瘍外科
キーワード:
直腸癌
,
肥満
,
ロボット支援手術
Keyword:
直腸癌
,
肥満
,
ロボット支援手術
pp.1903-1910
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004749
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厚生労働省の令和5年国民健康・栄養調査によるとわが国における肥満(BMI≧25)の割合は男性で31.5%,女性で21.1%であり,なかでも高度肥満(BMI≧35)とされるのは成人の1%程度である。一方,アメリカでは肥満をBMI≧30,高度肥満をBMI≧40と定義し,肥満割合が40.3%,高度肥満割合が9.4%と深刻な状況にある1)。今後,わが国でも食生活の欧米化に伴い肥満および高度肥満症例の増加が予想される。肥満例では手術操作が困難になることは外科医の共通認識であり,実際に大腸手術においてvisceral obesity(内臓脂肪型肥満)が手術の難度や合併症と相関することが多数報告されている2, 3)。したがって,肥満例に対する対策・戦略をたてて手術に臨む必要がある。

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