特集 誌上ディベート ロボット支援肝胆膵外科手術のpros and cons ―近未来のスタンダードとなり得るか―
5.近未来の膵体尾部切除 2)ロボット支援手術の立場から
増井 俊彦
1
,
北川 裕久
1
,
河本 和幸
1
1倉敷中央病院外科
キーワード:
膵体尾部切除
,
ロボット支援
,
膵癌
Keyword:
膵体尾部切除
,
ロボット支援
,
膵癌
pp.1912-1919
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004157
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膵臓に対するロボット支援手術は,わが国ではプロフェッショナルオートノミーとして学会が厳格に施設や術者規定を定め,さらにNCD(National Clinical Database)への前向き登録を条件として,2020年に郭清を含めた膵頭十二指腸切除,膵体尾部切除が保険承認となった。ロボット支援手術は腹腔鏡手術特有の動作制限や手振れを解消することができ,より精緻な手術操作が可能となる。さらに,膵体尾部切除は再建を伴わない短時間で行うことのできる手術であるため,ロボット支援手術膵頭十二指腸切除術(robot-assisted pancreaticoduodenectomy;RPD)導入の前段階として比較的適した手術手技である。一方で,機械本体をはじめとして鉗子類を含めて高額機器が追加で必要となり,さらに術者が限定されている過渡期では若手の執刀機会を奪うことにもなりかねない。
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