特集 高難度肝胆膵外科手術アトラス2022
Ⅱ 各論 C 膵臓 5 膵癌に対する膵体尾部切除
大島 稔
1
,
岡野 圭一
1
,
鈴木 康之
1
1香川大学消化器外科
キーワード:
膵体尾部切除
Keyword:
膵体尾部切除
pp.635-643
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002725
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膵癌に対する膵体尾部切除は,日本肝胆膵外科学会の高難度手術に含まれ,高度技能専門医を目指す修練医にとって習熟しなければならない術式である。古典的には脾臓および膵尾部を左側から右側に脱転した後に膵体部を切離するのが一般的であったが,膵切離を先行し,膵体尾部を右側から左側に向かい膵背側の組織を一塊にして摘出するRAMPS(radial antegrade modular pancreatosplenectomy)がStrasbergによって提唱された(図1)1)。RAMPSはリンパ流に沿った十分なリンパ節郭清,血管先行処理を伴った膵背側の適切な層での剥離を可能にする。とくに膵背側や上腸間膜動脈(superior mesenteric artery;SMA)周囲のsurgical marginを確保するためにRAMPSは有用な術式であり,現在では主流となっている。
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