特集 消化管ストーマ造設術の基本手技と合併症対応
一時的ストーマ閉鎖術
高橋 賢一
1
,
羽根田 祥
1
1独立行政法人労働者健康安全機構 東北労災病院大腸肛門外科
キーワード:
ストーマ閉鎖
,
術後合併症
,
手術部位感染
Keyword:
ストーマ閉鎖
,
術後合併症
,
手術部位感染
pp.1037-1042
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003936
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下部消化管手術において,一時的ストーマは欠かすことのできない有用な術式である。たとえば潰瘍性大腸炎や家族性大腸腺腫症に対する大腸全摘・回腸囊肛門吻合術や直腸癌に対する肛門温存手術での吻合部保護の目的で予防的に造設される。また,縫合不全に対する治療目的で造設されることもある。さらに複雑深部痔瘻や直腸腟瘻,直腸尿道瘻など直腸肛門疾患に対する治療目的に造設されることもある。その手術術式や目的により回腸ストーマと結腸ストーマが使い分けられるが,多くはループ式ストーマとして造設される。そして,その目的が達成されればストーマ閉鎖術が行われる。閉鎖術においては,時に癒着が強く剥離に難渋することがあり,また術野汚染を起こしやすいことから,術後合併症がしばしば問題となる。本稿ではループ式ストーマ閉鎖術の基本手技と術後合併症,およびその対策について述べる。
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