特集 急性腹膜炎の治療戦略と手術
Ⅱ.原因疾患別の治療戦略 10)急性汎発性腹膜炎に対するdamage control surgery
松本 亮
1
,
渡部 広明
1
1島根大学医学部 Acute Care Surgery講座
キーワード:
ダメージコントロール
,
腹部救急
,
敗血症
Keyword:
ダメージコントロール
,
腹部救急
,
敗血症
pp.359-365
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003763
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「ダメージコントロール」という用語の語源は,米国海軍で使用されている戦時用語である。戦闘艦船が敵の攻撃により被弾し損傷を負った際に,沈没しないようにその場での被害を最小限にとどめ,修復可能な母港へと速やかに寄港する。そこで艦船を修復し,再度戦闘可能な状態に復帰させる一連の応急策が「ダメージコントロール」である。この艦船を患者に見立て,死に瀕した重症患者を救命するために行う一連の治療戦略が,医療におけるダメージコントロールである1)。本稿では,急性汎発性腹膜炎において生命危機のある患者に対するdamage control surgeryについて解説する。
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