手術手技
主肝静脈に沿った腹腔鏡下解剖学的肝切除における3-step dorsal approach
二宮 瑞樹
1
,
武石 一樹
1
,
森田 和豊
1
,
別城 悠樹
1
,
坂田 亮
1
,
東 秀史
1
1地方独立行政法人福岡市立病院機構 福岡市民病院肝臓外科
キーワード:
腹腔鏡下肝切除
,
腹腔鏡下肝左葉切除
,
背側アプローチ
Keyword:
腹腔鏡下肝切除
,
腹腔鏡下肝左葉切除
,
背側アプローチ
pp.243-249
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003725
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肝実質切離のアプローチ法にはさまざまなものがあり,従来の開腹肝切除術においては腹側・尾側から背側・頭側に向かうcaudal approachが主流であったが,腹腔鏡下肝切除では頭側・背側から肝静脈をガイドに切離する手技も登場し,静脈分枝の股さけ損傷のリスクを低減させるなどの長所があると報告されている1-3)。しかし,腹腔鏡の尾側からの視野では肝静脈根部は肝臓を乗り越えた深部での操作となり,手術の初期段階で同部位にアプローチするにはカメラワークの工夫などを要し,熟練した手術チームでなければ困難な状況にも陥り得る。われわれは主肝静脈に沿った腹腔鏡下解剖学的肝切離において,肝静脈ガイド法の長所も残しつつ必ずしも一方向性の切離にこだわらない3-step dorsal approachを考案し行ってきたため,この手技を解説する。
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