総特集 血管外科疾患の治療と手術手技─消化器・一般外科医が知りたい他科の技と工夫
Ⅰ.大動脈瘤に対する手術 1)破裂性腹部大動脈瘤におけるICTを利用した医療連携の実践
内田 大貴
1
,
東 信良
1
1旭川医科大学外科学講座血管外科
キーワード:
破裂性腹部大動脈瘤
,
ICT
,
医療連携
Keyword:
破裂性腹部大動脈瘤
,
ICT
,
医療連携
pp.1835-1839
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003622
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大動脈緊急症のなかでも血管外科で扱う破裂性腹部大動脈瘤(ruptured abdominal aortic aneurysm;RAAA)は,生命予後に大きく関わるlife threateningな大動脈疾患である。従来より開腹手術(open surgical repair;OSR)による人工血管置換術が標準治療とされてきたが,依然高い死亡率(25~41%)が示されてきた1)。一方,待機的腹部大動脈瘤(abdominal aorta aneurysm;AAA)に対する腹部ステントグラフト内挿術(endovascular aneurysm repair;EVAR)が2006年以降,わが国でも普及してきたが,近年刷新されたガイドライン上2, 3)においては,RAAAに対する治療戦略としてもEVARのコンセンサスが得られ,日本ステントグラフト実施基準管理委員会(Japanese Committee for Stentgraft Management;JACSM)のannual report4)によると救命率向上に寄与した結果が報告されており,今後RAAAに対するEVARの適応増加が見込まれている。
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