手術手技
直腸膀胱瘻に対する新たな低侵襲治療─直腸筋層オーバーラップ形成法
金平 永二
1
,
谷田 孝
1
,
金平 文
1
,
尾花 優一
1
1メディカルトピア草加病院外科
キーワード:
直腸膀胱瘻
,
手術
,
経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー
Keyword:
直腸膀胱瘻
,
手術
,
経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー
pp.259-264
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003164
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直腸膀胱瘻は前立腺癌術後に発生する合併症であり,しばしば難治性となる1-3)。肛門尿失禁や糞尿などの症状は著しいQOL(quality of life)の低下を引き起こす。瘻孔が難治性となると,患者は尿路変更と人工肛門(double diversion)を余儀なくされる場合も少なくない。本疾患に対しさまざまな外科的治療法が考案され試されてきたが4-8),確実な治癒を約束するものはなく,いまのところ標準治療法は定まっていない。経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(transanal endoscopic microsurgery;TEM)はBuessら9, 10)により直腸腫瘍性病変の一括切除と欠損部の縫合閉鎖を目的として開発された手術法であり,筆者は1991年にBuessから直節指導を受けてこれをわが国に導入した経緯がある11, 12)。このTEMを応用し,直腸膀胱瘻の治療を行った試みは現在までに少数の施設から報告されている13-20)。われわれも過去に報告したことがあるが18),その後,閉鎖率向上を目指し,改良を加えた術式“直腸筋層オーバーラップ形成法”を考案し,改めて良好な臨床成績を報告した21)。
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