特集 肝移植手術を再考する
肝移植医療における周術期管理と免疫抑制update
奥村 晋也
1
,
伊藤 孝司
1
,
小木曾 聡
1
,
穴澤 貴行
1
,
秦 浩一郎
1
,
波多野 悦朗
1
1京都大学肝胆膵・移植外科/小児外科
キーワード:
肝移植
,
周術期管理
,
免疫抑制
Keyword:
肝移植
,
周術期管理
,
免疫抑制
pp.19-26
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003113
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肝移植は,非代償性肝硬変をはじめとする末期肝不全に対する最終治療法である。肝移植における問題は,栄養状態の低下,出血傾向,胸腹水貯留,および肝腎症候群や肝肺症候群といった複数臓器の障害を有する患者に,長時間で侵襲の大きな手術を行う必要があることに加え,生涯にわたる免疫抑制剤の使用が必要となる点である。このため,多彩な合併症を念頭に置いた周術期管理が必要であり,合併症を極力減らすための術前準備も重要である。わが国での肝移植は生体肝移植を中心に発展してきたが,肝移植成績の向上には,移植手術手技の確立に加え,適切な周術期管理法が確立してきたことも大きく寄与している。肝移植における周術期管理と免疫抑制について,当院での実際を紹介しながら概説する。
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