手術手技
腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術(TAPP法)における内側臍襞パッチ法の手術手技─腹膜縫合困難症例に対するトラブルシューティング
中瀬 有遠
1
,
毛利 響香
1
,
宮前 眞人
1
,
中島 慎吾
1
,
西村 寿幸
1
,
菅沼 泰
1
1市立奈良病院消化器外科
キーワード:
TAPP
,
腹膜縫合困難症例
,
腹膜縫合法
Keyword:
TAPP
,
腹膜縫合困難症例
,
腹膜縫合法
pp.1625-1630
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002974
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腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の術後合併症の1つである腸閉塞の発生頻度は,腹腔内アプローチであるTAPP法(transabdominal preperitoneal approach)が腹膜前腔アプローチのTEP法(totally extraperitoneal approach)に比べて高いことが報告されている1,2)。TAPP法はメッシュを被覆するために腹膜縫合が必要となるが,縫合に弱い部分や閉鎖不全があると腹膜が離開し,メッシュに腸管が癒着して腸閉塞を発症する。とくに再発症例や前立腺全摘後では瘢痕や癒着のため腹膜の剥離が困難であったり,組織の伸展性がなかったり,縫合に難渋する症例を経験することがある。そうした症例に対し,当科では内側臍襞パッチ法による腹膜閉鎖手技を行っており,その手術手技を紹介する。
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