特集 癌外科医必読 腹膜播種の治療戦略と手術
Ⅱ.各論 5)卵巣癌腹膜播種の治療戦略と手術
藤原 恵一
1
1埼玉医科大学国際医療センター婦人科腫瘍科
キーワード:
卵巣癌
,
手術
,
化学療法
Keyword:
卵巣癌
,
手術
,
化学療法
pp.1571-1575
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002968
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卵巣癌,卵管癌,原発性腹膜癌(以下,卵巣癌と総称する)の特徴は,第1に,他の腹腔内臓器癌と異なり,癌病巣がもともと腹腔内に露出していることである。すなわち,「肉眼的に癌が被包されて卵巣にとどまっているように見えても,microscopicな腹膜播種が起こっている可能性が高い」ことが前提の疾患という点である。第2に,卵巣癌の多くは化学療法に対する一次効果はかなり高い(全体的には60~70%以上)という点である。すなわち,卵巣癌,とくに進行卵巣癌の一次(初回)治療のなかで化学療法は必須の選択肢という前提がある。この2点をふまえると,卵巣癌に対する治療戦略は,手術と化学療法の集学的治療といえるので,本稿では手術とともに化学療法,とくに腹腔内化学療法について解説したい。
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