増大号特集 肝臓外科におけるスタンダード肝切除
Ⅰ.総論 1)肝切除の歴史と将来展望
國土 典宏
1
,
竹村 信行
2
1国立国際医療研究センター理事長
2国立国際医療研究センター肝胆膵外科
キーワード:
肝切除
,
歴史
,
生体肝移植
Keyword:
肝切除
,
歴史
,
生体肝移植
pp.1129-1135
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002871
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肝切除の歴史を振り返ると,最初の100年は出血と肝不全との闘いであり,手術死亡率が5%を切り「安全な」術式として確立するのは1980年代後半以降である。進歩の大きな原動力は術式の進歩と術中超音波などの技術革新,肝機能評価法や周術期管理の確立などであり,これにはわが国のパイオニアたちが大きく貢献している。その後,最近の30年間では生体肝移植の確立とそこから得られた知見の肝切除へのフィードバック,腹腔鏡やロボット支援による低侵襲アプローチの登場,3Dシミュレーション・ナビゲーションの進歩により,精緻かつ安全で,oncologicalにも最適な肝切除へと発展してきた。
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