特集 高難度肝胆膵外科手術アトラス2022
Ⅱ 各論 A 肝臓 14 生体肝移植レシピエント手術
高槻 光寿
1
,
大野 慎一郎
1
,
川俣 太
1
,
石野 信一郎
1
,
上里 安範
1
1琉球大学大学院消化器・腫瘍外科
キーワード:
生体肝移植
,
レシピエント
,
定型化
Keyword:
生体肝移植
,
レシピエント
,
定型化
pp.531-540
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002715
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生体肝移植は末期肝不全などに保険が適用される一般的な治療である一方,健常人であるドナーに高侵襲手術を行うきわめて特殊な医療でもある。脳死肝移植の代替治療として緊急避難的に行われるべきであるが,2010年の臓器移植法改正後も脳死肝移植は,欧米はもちろん他のアジア諸国と比較しても大幅に増加することはなく,いまだわが国の肝移植の大半を占めている。脳死移植と異なり常に部分肝移植であるため,ドナーの安全とレシピエントの利益のバランスを意識する必要があり,緻密な術前シミュレーションと繊細な手術手技を要求される。数mmのズレが大きな結果の違いを生むことも多く,並行して行うドナー手術チームとも密に連携し,熟練したチームで行うべきである。
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