特集 消化器外科における高齢者手術─各施設の工夫と留意点
Ⅱ.各論 1)高齢者に対する食道癌手術の工夫と留意点─集学的低侵襲性外科治療戦略と両側頸部アプローチ縦隔鏡腹腔鏡補助下経裂孔的食道切除胃管再建術(BTC-MATLE)
大幸 宏幸
1
,
小熊 潤也
1
,
石山 廣志朗
1
,
栗田 大資
1
,
兼松 恭平
1
1国立がん研究センター中央病院食道外科
キーワード:
高齢者
,
食道癌
,
縦隔鏡
Keyword:
高齢者
,
食道癌
,
縦隔鏡
pp.1525-1531
発行日 2021年9月15日
Published Date 2021/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002414
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食道癌は近年,増加傾向にある。「累積がん罹患リスク」を2005年と2017年で比較すると,罹患リスクは男性:52人に1人から41人に1人に,女性:246人に1人から194人に1人と,食道癌の罹患リスクは上昇しており,年齢別にみても70~79歳では男性:1.5から1.9,女性:0.2から0.4へと上昇していることがわかる(表1)1,2)。さらに,「がんや心臓病,肺炎,脳卒中による死亡率が改善した」ことにより,わが国の平均年齢は男女とも向上し,それに伴い癌治療の対象者も高齢化している。
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