特集 消化器・一般外科医のための腹部外傷外科手術講座
Ⅰ.総論 1)腹部外傷外科手術と治療戦略
久志本 成樹
1
,
川副 友
1
,
谷河 篤
2
,
伊藤 優太
2
1東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座救急医学分野,東北大学病院救急科/高度救命救急センター
2東北大学病院救急科/高度救命救急センター
キーワード:
腹部外傷
,
ダメージコントロール
,
damage control resuscitation
Keyword:
腹部外傷
,
ダメージコントロール
,
damage control resuscitation
pp.921-928
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002241
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腹部外傷患者における緊急度・重症度の高い病態は,①大量出血,②高度な炎症あるいは感染である。四肢や体表の外傷とは異なり,受傷機転やわずかな身体所見などからその存在を念頭に置くことが,腹部外傷患者に対する適切な診療には不可欠である。そして,緊急度に応じた腹部外傷の病態を理解して対応しなければならない。最も緊急度が高いのは,主要血管や実質臓器損傷による出血性病態である。見逃されやすい病態として,管腔臓器損傷による腹膜炎がある1-3)。
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