手術症例報告
膀胱鏡併施が有用であり,腹腔鏡下に手術し得たS状結腸膀胱瘻の1例
小島 正継
1
,
三宅 亨
1
,
植木 智之
1
,
富田 圭司
2
,
清水 智治
1
,
谷 眞至
1
1滋賀医科大学外科学講座消化器・乳腺・一般外科
2滋賀医科大学泌尿器科学講座
キーワード:
S状結腸膀胱瘻
,
腹腔鏡
,
膀胱鏡
Keyword:
S状結腸膀胱瘻
,
腹腔鏡
,
膀胱鏡
pp.1639-1644
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001906
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S状結腸膀胱瘻は,結腸内圧が膀胱内圧より高いため自然閉鎖は困難で,治療には手術が必要となることが多い1)。その原因は,憩室炎によるものが最多である2)。近年,憩室炎によるS状結腸膀胱瘻に対して腹腔鏡手術の有用性を指摘する報告が散見されるようになった1,3,4)。腹腔鏡手術では,拡大視効果により,膀胱と結腸間の精緻な剥離が可能となり,膀胱の損傷を最低限にとどめることができるようになってきた。ただし,炎症が広範囲に及び,結腸と膀胱との間の炎症性癒着が高度である場合では,手術操作による尿管や膀胱尿管口の損傷が危惧される。
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