画像診断
MRIで描出されたS状結腸膀胱瘻
久保寺 智
1
,
丸山 修
1
,
小松 秀樹
2
1山梨赤十字病院泌尿器科
2山梨医科大学泌尿器科
キーワード:
S状結腸癌
,
S状結腸膀胱瘻
,
MRI
Keyword:
S状結腸癌
,
S状結腸膀胱瘻
,
MRI
pp.77-79
発行日 1996年1月20日
Published Date 1996/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901671
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患者 71歳女性。
主訴 頻尿,排尿時痛。
既往歴 高血圧症,胆石症。
家族歴 特記すべきことなし。
現病歴 1994年10月中旬より頻尿,排尿時痛が出現し近医を受診。膀胱炎と診断され,種々の抗生剤,抗菌剤を投与されるも改善無く,同年11月11日当科を紹介され受診した。
初診時現症 身長155cm,体重42kg,血圧160/85mmHg。胸腹部理学的所見に異常は認めなかった。
膀胱鏡所見 膀胱内腔の左半分以上を占拠する,非乳頭状で表面に壊死物質の付着した腫瘍を認めた。
入院後経過 膀胱腫瘍の診断で11月16日当科に入院となった。画像診断(図1〜5)より.膀胱とS状結腸の両者に連続性に腫瘍が存在し,S状結腸膀胱瘻が形成されていることが確認された。経尿道的膀胱腫瘍生検,大腸内視鏡によるS状結腸腫瘍生検で,病理組織学的に両者から同一の高分化型腺癌との結果が得られたため,S状結腸癌膀胱浸潤によるS状結腸膀胱瘻形成と診断した。12月15日泌尿器科外科共同で,S状結腸切除および膀胱部分切除により腫瘍を摘出した。病理組織学的には腫瘍は高分化型腺癌であり,大腸癌取り扱い規約に従うと,stage IIIa,根治度Aであった。経過は良好で,化学療法を施行後現在外来経過観察中である。
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