特集 消化器外科手術の論点2020 誌上ディベートと手術手技
食道外科 2 食道癌根治術における胸管合併切除 必要の立場から
宇田川 晴司
1
,
上野 正紀
2
,
大倉 遊
2
1虎の門病院分院消化管センター外科
2虎の門病院消化器外科
キーワード:
thoracic duct lymph node
,
sentinel node
,
dissectable layer
Keyword:
thoracic duct lymph node
,
sentinel node
,
dissectable layer
pp.396-403
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001607
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手術は時代とともに変化する。たとえば,乳癌の分野では広範な合併切除を伴う乳房切断術はもはや消滅したといってよく,一方,直腸癌の分野では直腸間膜全切除(total mesorectal excision;TME)が標準である。日本の消化器外科の牙城である胃癌の分野でも,われわれの頭を国際標準に切り替えなければその牙城を守り続けるのが困難であることを,佐野が説得力ある文章で述べている1)。食道癌の手術もこの流れの例外であるはずがない。しかし,郭清縮小への流れは慎重かつ精緻な比較検討によって裏付けられなければ,いたずらに再発のリスクを増大させることにつながる。かつての標準であった徹底した郭清術式のプラス面,マイナス面をここでもう一度確認しておくことは大いに意味のあることだろう。
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