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特集 上部消化管手術におけるトラブルシューティング─困難症例・偶発症への対策
食道切除後難治性リンパ瘻・乳び胸に対する対処
大倉 遊
1
,
上野 正紀
1
,
宇田川 晴司
1
1虎の門病院上部消化管外科
キーワード:
乳び胸
,
胸管結紮
Keyword:
乳び胸
,
胸管結紮
pp.1143-1146
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002291
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近年,食道癌手術は,手術の低侵襲化や術式の工夫,周術期管理の向上など,術後合併症を軽減するための努力を積み重ね,大きな成果を上げている。しかしながら,術後合併症は42.5%と依然として大きな問題であることに変わりはない1)。そのなかで乳び胸は食道切除後の代表的な合併症の1つであり,2~9%と報告されている2-4)。乳び胸は胸管もしくはその分枝の損傷により,リンパ液が胸腔内に漏出したものである。胸管本幹や主要な分枝を損傷した場合,多量のリンパ液が漏出するため,体液の喪失が著しく,頻脈や血圧低下などの循環動態に影響を及ぼし,さらにたんぱく漏出に伴う栄養状態の悪化にもつながる可能性もある合併症である。乳び胸の治療法としては,栄養療法,薬物療法,手術療法に分けられ,これらを組み合わせた治療が行われる。本稿では,乳び胸の治療についてわれわれの施設で行っている方策を交えて解説する。

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