特集 肝胆膵外科手術におけるトラブルシューティング
Ⅱ.胆道 3)広範囲胆管癌手術における胆管断端陽性時の対応
大塚 新平
1
,
江畑 智希
1
,
横山 幸浩
1
,
伊神 剛
1
,
水野 隆史
1
,
梛野 正人
1
1名古屋大学腫瘍外科
キーワード:
胆管癌
,
胆管断端陽性
,
追加胆管切除
Keyword:
胆管癌
,
胆管断端陽性
,
追加胆管切除
pp.1043-1049
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001262
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胆管癌の根治には外科的切除が必要であり,R0切除はリンパ節転移と並ぶ重要な予後因子として知られている1)。胆管癌は胆管壁に沿った広汎な壁内あるいは上皮内進展を呈することがあり,R0切除を達成するためには水平進展の診断が重要である。MDCT,胆管造影,胆管内超音波検査,胆管生検などを用いて進展範囲を診断し切除術式を決定するが,現時点ではすべての症例で正確な術前診断を行うことは困難で(図1),術中に胆管断端を迅速病理検査に提出して陰性確認を行うことが重要である。また,単層上皮である胆管上皮は挫滅・乾燥に弱く,切除後標本での正確な上皮内癌の診断はしばしば困難であることからも胆管断端標本を術中に確保しておくことが必要である。術中迅速検査には,胆管断端以外に腫大リンパ節や動脈周囲神経叢などを必要に応じて提出し,追加切除施行の判断材料としている。
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