合併症ゼロを目指した最新の低侵襲内視鏡外科手術
Ⅲ 肝臓 6 ロボット支援下腹腔鏡下肝切除術
中嶋 早苗
1
,
加藤 悠太郎
1
,
棚橋 義直
1
,
木口 剛造
1
,
小島 正之
1
,
杉岡 篤
1
1藤田保健衛生大学総合消化器外科
キーワード:
ロボット支援下肝切除
,
系統的肝切除
,
レネック被膜
Keyword:
ロボット支援下肝切除
,
系統的肝切除
,
レネック被膜
pp.493-505
発行日 2018年3月31日
Published Date 2018/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000639
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
近年,肝臓外科領域においても低侵襲手術が普及しつつある。今後,低侵襲手術に対する患者の期待はさらに強まり,適応拡大の方向に向かうと思われる。とくに肝切除は低侵襲手術の恩恵が大きい領域であるが,一方で難度の高い手術であり,低侵襲性のために安全性が損なわれてはならない。腹腔鏡下肝切除においては,2 度の国際コンセンサス会議で低難度肝切除における腹腔鏡下肝切除は標準治療であるとする一方,高難度肝切除は内視鏡外科および肝臓外科の双方に精通したエキスパートが経験豊富な施設で行うべき段階であるとの提言がなされた1,2)。その理由として鉗子操作における動作制限,二次元視野ゆえの空間認識の困難性,肝臓把持の不安定性,狭い空間での結紮・縫合の技術的困難性,出血に対する対応の遅れなど,腹腔鏡下肝切除における多くの限界が指摘された。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.