合併症ゼロを目指した最新の低侵襲内視鏡外科手術
Ⅲ 肝臓 5 腹腔鏡下肝切除術における reduced port surgery の工夫
吉岡 正人
1
,
谷合 信彦
1
,
清水 哲也
1
,
吉田 寛
1
,
内田 英二
1
1日本医科大学消化器外科
キーワード:
腹腔鏡下肝切除
,
reduced port surgery
Keyword:
腹腔鏡下肝切除
,
reduced port surgery
pp.485-492
発行日 2018年3月31日
Published Date 2018/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000638
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腹腔鏡下肝切除術は,肝部分切除術と肝外側区域切除術が2010 年に保険収載されて以来,今日に至るまで,急速に発展してきた。さらには,区域切除,葉切除といったmajor hepatectomy も保険収載されたことを受けて今後さらに症例の増加が予測される。この術式は,多種多彩な術式や肝臓器特異性ゆえに,そのアプローチ法やポート配置などは施設によって異なる。一方,整容性の向上,術後疼痛の軽減を目的とした単孔式腹腔鏡手術は,主に胆囊摘出術を中心に行われてきた。また,臍部以外のポート数の減少, 腹壁破壊の低減を求めたreduced portsurgery(RPS)は低侵襲手術としてのfeasibilityが示され1,2),他臓器手術において発展傾向であるが, 肝切除においては報告例が少ない3,4)。RPS の定義は,ポート数や腹壁破壊数に一定の決まりがない。われわれは,単孔症例を含め3ポートまでをRPS と定義した。当院では,2016年12 月までに腹腔鏡下肝切除術を175 例に施行し,部分切除や外側区域切除術において,36 症例にRPS を導入,実践している。外側区域切除においては,離断面が平面で直線的であり,支持間膜の固定により,牽引可能であることから5),RPS に適していると考えている。
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