合併症ゼロを目指した最新の低侵襲内視鏡外科手術
Ⅲ 肝臓 2 腹腔鏡下肝外側区域切除の基本手技
光法 雄介
1
,
小川 康介
1
,
小野 宏晃
1
,
伴 大輔
1
,
工藤 篤
1
,
田邉 稔
1
1東京医科歯科大学肝胆膵外科
キーワード:
腹腔鏡下肝切除
,
外側区域切除
,
自動縫合器
Keyword:
腹腔鏡下肝切除
,
外側区域切除
,
自動縫合器
pp.455-463
発行日 2018年3月31日
Published Date 2018/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000635
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腹腔鏡下肝外側区域切除術は,2010 年4 月に保険診療に収載された。肝外側区域切除術そのものは,切離ラインが直線的であること,切離面が狭い(切離部の肝実質が薄い)ことなどから,比較的容易な肝切除に分類される。また,S3・S2Glisson の根部は,肝外の門脈臍部からその分岐がわかりやすい一方で,肝内に入るとしばしば細かく分岐している。そのため,すべてを露出してそれぞれ結紮処理するよりも,自動縫合器で一括して切離するほうが簡便で安全な脈管処理がしやすい。以上のような点から,自動縫合器を用いる肝外側区域切除術は,鉗子操作の制限された腹腔鏡手術には適している。手術の治療成績に関しても,悪性疾患の長期予後において,開腹手術に勝るとも劣らない成績が報告されている1)。
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