特集 きいてみた! 皮膚科×各科 診療のリアル―“いまさら聞けない” を解消するQ&A―
血管炎・血管障害
うっ滞性皮膚炎・脂肪織炎・潰瘍
皮膚科における診療方針
前川 武雄
1
Takeo MAEKAWA
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター,皮膚科
キーワード:
うっ滞性皮膚炎
,
慢性静脈不全
,
脂肪皮膚硬化症
,
静脈性下腿潰瘍
Keyword:
うっ滞性皮膚炎
,
慢性静脈不全
,
脂肪皮膚硬化症
,
静脈性下腿潰瘍
pp.704-707
発行日 2026年6月10日
Published Date 2026/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005809
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うっ滞性皮膚炎は,下肢の慢性静脈不全(chronic venous insufficiency;CVI)を背景として生じる炎症性皮膚疾患であり,静脈高血圧症に起因する皮膚および皮下組織の慢性炎症を本態とする1)2)。静脈弁不全や深部静脈血栓症後症候群などにより下肢静脈圧が持続的に上昇すると,毛細血管内圧の亢進,血管透過性の増大,白血球の血管外遊走が生じ,炎症性サイトカインや活性酸素が局所に蓄積する1)3)。その結果,真皮内への浮腫,赤血球漏出に伴うヘモジデリン沈着が進行し,慢性的な皮膚炎症状態が形成される。臨床的には,下腿遠位部を中心とした紅斑,色素沈着,鱗屑,瘙痒を呈し,病期が進行すると皮膚の脆弱化や易外傷性が目立つようになる2)4)(図1-a,b)。

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