特集 きいてみた! 皮膚科×各科 診療のリアル―“いまさら聞けない” を解消するQ&A―
アレルギー性皮膚疾患
薬疹
眼科医師への質問
上田 真由美
1
Mayumi UETA
1
1京都府立医科大学,眼科学教室
pp.682-683
発行日 2026年6月10日
Published Date 2026/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005802
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
重篤な眼合併症ならびに眼後遺症を認める薬疹として,Stevens-Johnson症候群(SJS)ならびにその重症型である中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis;TEN)がある。眼合併症ならびに眼後遺症を生じているSJSとTENの眼所見は類似し,急性期ならびに慢性期をとおして,眼所見より両者を鑑別することは困難であるため,眼科では重篤な眼合併症ならびに眼後遺症を伴うSJSとTENをあわせて広義のStevens-Johnson症候群と呼称している。SJS/TENすべての患者で,眼合併症を伴うわけではない。軽度の結膜炎を含んだ眼合併症はSJS/TEN全体の約80%とされるが,慢性期の眼後遺症につながるような急性期の重篤な眼合併症は,約半数であると報告されている。急性期の重篤な眼合併症の特徴としては,偽膜ならびに角結膜上皮欠損のいずれかを認める重篤な結膜炎(図1)1)である。眼科で治療を要する重篤な眼合併症を伴う急性期SJS/TEN患者には,口唇・口腔内の出血性びらんならびに爪囲炎を生じるという共通の特徴が存在する。重篤な眼合併症を伴うSJS/TEN患者を対象に行った調査では,約8割の患者が感冒様症状を最初に自覚し,その後に薬剤投与がなされて,高熱,発疹を生じていた。発疹を生じた時点で両眼が充血している場合は,眼合併症を伴う可能性が高い。急性期の治療が,高度の視力障害などの眼科的後遺症を左右するため,発症初期に的確に診断し,眼合併症の有無を判断することが重要である。
Copyright © 2026, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.

