足底のみに生じたAquagenic Palmoplantar Keratodermaの1例

Aquagenic palmoplantar keratoderma occurring only on the soles

34歳，女性。入浴後の両踵の浸軟と瘙痒があり，外用治療するも難治であった。初診時，両足底の荷重部に淡い紅斑，踵に過角化がみられた。他部位には同様の所見はなかった。Aquagenic palmoplantar keratoderma（APK）を疑い浸水試験を施行したところ，両踵に白色変化と浸軟を認めた。病理組織像は角層に表皮内汗管の拡張，著明な過角化がみられ，真皮の深層は汗腺分泌部の汗管の軽度の拡張と一部透明細胞変化，空胞化を示した。APKと診断し，尿素クリームやオキシブチニン塩酸塩外用で軽快を得た。掌蹠の難治性過角化や浸水後の変化は，APKを鑑別として考えることが望ましい。