Japanese
English
症例報告
Spiny keratodermaの1例
A case of spiny keratoderma
千葉 広夢
1
,
塚田 全
1
,
相場 節也
2
Hiromu CHIBA
1
,
Akira TSUKADA
1
,
Setsuya AIBA
2
1大崎市民病院皮膚科
2東北大学大学院医学系研究科神経感覚器病態皮膚科学分野
1Division of Dermatology, Osaki Citizen Hospital, Osaki, Japan
2Department of Dermatology, Tohoku University Graduate School of Medicine, Sendai, Japan
キーワード:
spiny keratoderma
,
デルマドローム
,
点状掌蹠角化症
Keyword:
spiny keratoderma
,
デルマドローム
,
点状掌蹠角化症
pp.785-788
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206471
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要約 69歳,男性.心筋梗塞,間質性肺炎の既往あり.3年前より両手掌に棘状の突起を認めた.増加傾向にあり当科受診.両手掌から手指に1mm大の角化性丘疹が多発していた.瘙痒や疼痛などの自覚症状は伴わなかった.組織学的には,不全角化を伴った角柱を認め,直下の表皮はやや陥凹し,顆粒層の減少を伴っていた.異常角化や空胞変性はみられなかった.以上よりspiny keratodermaと診断した.過去の報告よりデルマドロームの可能性も考え,全身検索を行ったが悪性腫瘍を疑う所見は認めなかった.10%サリチル酸ワセリン外用を試したが症状は不変であった.Spiny keratodermaは自覚症状に乏しく見逃されていることも多い疾患である.デルマドロームとして発症する可能性も示唆されており,発見した際には全身検索を検討する必要がある.
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