Japanese
English
症例
53年前の隆鼻術シリコンプロテーゼが原因であった鼻根部腫脹の1例
Swelling at the root of the nose:53 years after augmentation rhinoplasty with a silicone implant
須崎 康敬
1
Yasunori SUZAKI
1
1城南皮膚科医院,院長,丸亀市
キーワード:
隆鼻術
,
シリコンプロテーゼ
,
石灰化
,
鼻根部
Keyword:
隆鼻術
,
シリコンプロテーゼ
,
石灰化
,
鼻根部
pp.617-620
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005135
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73歳,女性。初診の約1年前から鼻根部に発赤,腫脹,排膿がみられ,かかりつけ医で処置を受けていた。難治のため3カ月前に総合病院の耳鼻咽喉科,形成外科を受診したが原因の特定には至らず当科を受診した。鼻根部に暗紅色の発赤,腫脹とわずかに滲出液を認めた。細菌培養検査では黄色ブドウ球菌が陽性であった。病理組織検査では真皮全層の浮腫性変化と形質細胞の浸潤,一部に石灰化を認めた。後日受診時,生検部よりシリコンプロテーゼが露出していたため詳細に問診したところ,20歳時に隆鼻術を受けていたことが判明した。高齢化による鼻根部の菲薄化,プロテーゼ周囲の石灰化,細菌感染が重なりプロテーゼが露出したと考えた。プロテーゼ摘出術を施行し治癒した。患者の高齢化に伴い,今後,同様の症例が増加する可能性がありアナムネーゼの詳細な聴取が必要と考える。

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