Japanese
English
症例
左大腿皮下腫瘤を呈したマンソン弧虫症の1例
Subcutaneous sparganosis mansoni in a Japanese patient
水口 竜之介
1
,
増澤 真実子
1
,
辻 尚利
2
,
天羽 康之
1
Ryunosuke MINAKUCHI
1
,
Mamiko MASUZAWA
1
,
Naotoshi TSUJI
2
,
Yasuyuki AMOH
1
1北里大学医学部,皮膚科学(主任:天羽康之教授)
2同,寄生虫学・熱帯医学
キーワード:
マンソン弧虫症
,
皮下腫瘤
,
鯉
,
井戸水
,
抗マンソン孤虫IgG抗体
Keyword:
マンソン弧虫症
,
皮下腫瘤
,
鯉
,
井戸水
,
抗マンソン孤虫IgG抗体
pp.483-486
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005084
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77歳,女性。左大腿に移動性皮下腫瘤を自覚し,全切除検体の病理組織像では,真皮から皮下組織にかけて好酸性の被膜で覆われた渦巻状の虫体を認めた。半定量的酵素抗体法で血清の抗マンソン孤虫IgG抗体が陽性であり,マンソン孤虫症と診断した。切除後に抗体価は低下した。感染経路は茨城県での井戸水または「鯉の洗い」の摂取と考えた。淡水魚の生食や淡水の飲用でも感染することがあり,感染経路を特定するために詳細な問診が必要である。自験例では半年間再発を認めていないが,同部位だけでなく離れた皮下に再発する例もあり,本症既往患者で新たな皮下結節が出現した際は,積極的な切除や抗体価の測定を考慮する必要がある。

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