Japanese
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特集 壊疽性膿皮症の最新知見と実践的アプローチ
(症例報告)
疼痛を伴う四肢の水疱で初発し,大動脈瘤が進行した壊疽性膿皮症の1例
Pyoderma gangrenosum with initial presentation of painful blisters on extremities followed by progressive aortic aneurysm
山下 達也
1
,
大谷 稔男
1
,
生田 旭宏
2
,
小野 実希
2
,
多田 廣祠
3
Tatsuya YAMASHITA
1
,
Toshio OHTANI
1
,
Akihiro IKUTA
2
,
Miki ONO
2
,
Hiroshi TADA
3
1倉敷中央病院,皮膚科(主任:大谷稔男部長)
2同,循環器内科
3多田皮膚科医院,倉敷市
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
高安動脈炎
,
巨細胞性動脈炎
,
感染性大動脈瘤
,
HLA
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
高安動脈炎
,
巨細胞性動脈炎
,
感染性大動脈瘤
,
HLA
pp.1597-1600
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004842
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80歳,女性。四肢に疼痛を伴う水疱が出現し,当科に入院した。38℃台の発熱があり,血液検査で白血球数やCRPが高値だった。皮膚や血液の培養検査は陰性であった。CTで腕頭動脈周囲の大動脈瘤が示唆された。高安動脈炎を伴った壊疽性膿皮症と考え,プレドニゾロンやシクロスポリンで治療した。壊疽性膿皮症は軽快したが,大動脈瘤が進行した。高安動脈炎が増悪した可能性のほか,経過中に生じた尿路感染症などにより感染性大動脈瘤が発症した可能性も考えられた。約1カ月の抗菌薬併用後も大動脈瘤は遷延したが,さらなる進行はなかった。壊疽性膿皮症が大動脈の傷害を伴ったとき,大動脈の傷害の原因が高安動脈炎と即断しないように注意する必要がある。
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