Japanese
English
症例
COVID-19関連血栓症による大腿部皮膚壊死の1例
Femoral skin necrosis due to COVID-19-related thrombosis
織田 美琴
1
,
廣﨑 邦紀
1
Mikoto ORITA
1
,
Kuninori HIROSAKI
1
1北海道医療センター,皮膚科(主任:廣﨑邦紀医長)
キーワード:
COVID-19
Keyword:
COVID-19
pp.1539-1542
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004815
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86歳,男性。入院5日前にPCR検査にてSARS-CoV-2陽性となり,臀部から両下腿にかけて発赤,びらんを認め,処置目的に当院入院となった。低酸素血症を伴わない軽症例であったが,初診時,両下肢の広範囲に網状皮斑と弛緩性水疱,びらんが広がっていた。病理組織像では,真皮浅層に多数の血栓と赤血球の血管外漏出を認め,真皮深層には動脈血栓も認められ,COVID-19関連血栓症による皮膚壊死と診断した。COVID-19では血栓症の合併が知られているが,そのほとんどは静脈血栓症であり,動脈血栓症の合併例は比較的まれである。動脈血栓症は高炎症状態に至らない感染初期でもみられることから,静脈血栓症のみの症例との差別化が必要であり,本邦でも症例の集積が望まれる。
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