特集 “認知症+併存疾患” アプローチの最前線
トピックス
COVID-19と認知症
稗田 宗太郎
1
,
小野 賢二郎
2
1昭和大学 医学部内科学講座脳神経内科学部門
2金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科脳神経内科学
キーワード:
COVID-19
,
認知症
,
受診控え
Keyword:
COVID-19
,
認知症
,
受診控え
pp.1349-1351
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1349
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Summary
▪新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により,医療面では受診機会やデイケア利用の減少,介護面では通所系・訪問系サービスの利用減を招いた.認知機能や認知症の行動・心理症状(BPSD)の悪化をきたしたとのアンケート結果も報告されている.
▪認知症患者は感染防御策の徹底が難しいことや,血液脳関門の機能障害により感染防御力が低下している可能性が報告されており,COVID-19への感染リスクが高い可能性がある.
▪認知症患者のCOVID-19による重症化リスク・死亡リスクは,併存症による影響を十分に考慮しても,健常者に比べて高いと報告されている.
▪COVID-19罹患後180日までの検討では,7.88%の患者に認知機能障害が報告されており,その比較的多くが集中力の欠如や健忘,喚語困難などをきたす「brain fog」とよばれる状況に該当している.
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