Japanese
English
症例
著明な血小板減少をきたしたマムシ咬傷の1例
-―症例報告ならびに本邦報告例の臨床的検討―
Pit viper bite with severe thrombocytopenia―Case report and clinical study of Japanese reports―
田村 政昭
1
Masaaki TAMURA
1
1佐野厚生総合病院,皮膚科,部長
キーワード:
マムシ咬傷
,
まむし抗毒素
,
血小板減少
Keyword:
マムシ咬傷
,
まむし抗毒素
,
血小板減少
pp.653-656
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004564
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70歳,男性。2021年7月,自宅で右足をマムシに咬まれ,受傷1時間後に受診した。右足背は淡紫褐色調に腫脹し,疼痛を伴った。右足背には牙痕が2カ所あった。血小板数が0.3×104/μlと著しく減少していた。マムシ咬傷(Grade Ⅱ)と診断し,まむし抗毒素と血小板輸血を施行した。抗毒素投与後3時間で血小板数は15.1×104/μlまで回復した。マムシ毒が直接血管内に注入された症例では,腫脹が軽度にもかかわらず,急激な血小板減少をきたし,重篤な出血症状を生じることがある。このような症例では,早急な血小板数の回復と出血症状の改善を目的に抗毒素の早期投与が重要であると考えた。
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