Japanese
English
症例
腎移植患者に生じた脂腺癌の1例
Sebaceous carcinoma in a renal transplantation recipient
児島 祐華
1
,
竹中 祐子
1
,
石黒 直子
1
Yuka KOJIMA
1
,
Yuko TAKENAKA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学,皮膚科学教室(主任:石黒直子教授)
キーワード:
脂腺癌
,
感染性粉瘤
,
皮膚超音波検査
,
腎移植
Keyword:
脂腺癌
,
感染性粉瘤
,
皮膚超音波検査
,
腎移植
pp.1916-1919
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004272
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42歳,男性。25歳と39歳時に腎移植の施行歴があり,免疫抑制薬を内服中である。初診1年前に右腋窩に結節が出現し,周囲の腫脹,軽快を繰り返した。3カ月前より結節の中央が自壊して結節が増大した。感染性粉瘤の診断で抗菌薬内服を開始後,腫脹は改善傾向となった。皮膚超音波検査とMRI検査からは粉瘤を疑う所見であった。紅色結節が残存し,再度自壊したため全摘術を施行し,病理組織学的所見より脂腺癌と診断した。自験例は高齢発症ではないが,脂腺癌の危険因子である男性例で,移植からの経過が長い点,抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンの使用歴がある点,潰瘍を伴う紅色結節の臨床像から,脂腺癌も鑑別の1つとして念頭に置くべきと考えた。
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