Japanese
English
症例報告
脂腺上皮腫が発生母地と考えられた脂腺癌の1例
A case of sebaceous carcinoma arising from sebaceous epithelioma
鈴木 布衣子
1
,
三宅 亜矢子
1
,
木花 いづみ
1
,
中野 政男
2
Nuiko SUZUKI
1
,
Ayako MIYAKE
1
,
Izumi KONOHANA
1
,
Masao NAKANO
2
1平塚市民病院皮膚科
2湘南皮膚科
1Division of Dermatology,Hiratuka City Hospital
2Shounan Dermatology Clinic
キーワード:
脂腺癌
,
脂腺上皮腫
Keyword:
脂腺癌
,
脂腺上皮腫
pp.1126-1128
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101408
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
66歳,女性.幼少時より存在する左側頭部の小結節が4か月前より増大してきた.径2cm,広茎性で黄色調,表面中央部は平滑,両端が顆粒状易出血性の腫瘤を認めた.組織学的には,異型性のある基底細胞様細胞が表皮と連続性に分葉状に帽状腱膜直上まで増殖していた.腫瘍巣の中央では胞体が明るく泡沫状で核も大型の細胞を認め,これらは脂肪染色陽性を示した.一部では異型性を認めない脂腺上皮腫様の部分もあり発生母地と考えられた.拡大切除の後,電子線照射,化学療法を施行した.術後8か月経過するが再発・転移は認めていない.脂腺上皮腫は放置すると悪性変化をきたす可能性があり,早期に切除することが望ましいと考えた.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.