Japanese
English
症例報告
毛包性ムチン沈着症(follicular mucinosis)の1例
A case of follicular mucinosis
大方 詩子
1
,
松崎 ひとみ
1
,
本多 皓
1
,
森 真理子
1
,
陳 科榮
1
Utako OKATA
1
,
Hitomi MATSUZAKI
1
,
Aki HONDA
1
,
Mariko MORI
1
,
Ko-Ron CHEN
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
1Division of Dermatology, Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
follicular mucinosis
,
毛包性ムチン沈着症
,
alopecia mucinosa
,
folliculotropic mycosis fungoides
,
毛包向性菌状息肉症
Keyword:
follicular mucinosis
,
毛包性ムチン沈着症
,
alopecia mucinosa
,
folliculotropic mycosis fungoides
,
毛包向性菌状息肉症
pp.159-162
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204310
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要約 33歳,女性.2か月前から右下顎部に毛孔一致性の小丘疹を伴う,9×15mm大の紅斑が出現した.ダーモスコピーでは毛孔が黄白色に開大していた.生検病理組織像で毛包内のリンパ球浸潤と著明なムチン沈着を認めた.臨床および病理組織像から原発性毛包性ムチン沈着症(follicular mucinosis:FM)と診断した.ステロイド貼付剤で2週間後に皮疹は消退した.FMは臨床的に紅斑,毛孔性丘疹および有毛部における脱毛を主症状とし,病理組織像で毛包内にムチン沈着を認める疾患である1).原発性FM,悪性リンパ腫に伴うFMと,さまざまな炎症性疾患に伴うFMがある.自験例は若年者の顔面に生じた紅斑で,毛包内のリンパ球に異型を認めず,ステロイド外用が奏効し,原発性FMとして典型的であった.悪性リンパ腫との鑑別は重要であり,臨床および病理組織像の相違に関して考察を含めて報告する.
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