Japanese
English
症例
特異な臨床所見を呈した乳癌皮膚浸潤の1例
Breast cancer with unusual cutaneous manifestation
山本 容子
1
,
原田 和俊
1
,
武田 芳樹
1
,
高橋 礼典
2
,
長尾 俊孝
2
,
井石 秀明
3
,
前嶋 啓孝
4
Yoko YAMAMOTO
1
,
Kazutoshi HARADA
1
,
Yoshiki TAKEDA
1
,
Reisuke H. TAKAHASHI
2
,
Toshitaka NAGAO
2
,
Hideaki ISEKI
3
,
Hirotaka MAESHIMA
4
1東京医科大学,皮膚科学分野(主任:原田和俊教授)
2同,人体病理学分野
3東京都立広尾病院,外科
4しまクリニック,皮膚科,東京都渋谷区
キーワード:
乳癌
,
皮膚浸潤
,
免疫組織染色
,
炎症性乳癌
,
トリプルネガティブ乳癌
Keyword:
乳癌
,
皮膚浸潤
,
免疫組織染色
,
炎症性乳癌
,
トリプルネガティブ乳癌
pp.1719-1723
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004213
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73歳,女性。3カ月前から左乳房の皮疹を自覚し,他院で湿疹として加療されるも改善せず受診した。初診時,左乳房に小豆大の紅褐色小結節が多発しており,乳房内に腫瘤を触れた。皮膚生検を施行し,病理所見から乳癌の皮膚浸潤が疑われ,他院へ紹介した。精査の結果,浸潤性乳管癌T4b N3c M1 Stage Ⅳの診断で外来化学療法を予定されるもTrousseau症候群により永眠された。乳癌の皮膚浸潤例で自験例のような臨床所見を呈したものはわれわれが渉猟し得たなかには認められず,まれな例と考えられた。皮膚生検の検体でリンパ管癌塞栓が認められたことから,炎症性乳癌に進展する途上にあり,乳房表面に小結節が多発したのではないかと考えた。
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