Japanese
English
症例
冬季に強い寒冷刺激なしに足趾の壊死を生じ凍傷と診断した1例
Toe necrosis resembling frostbite developing in winter without strong cold stimulation
稲沖 真
1
,
西島 千博
1
Makoto INAOKI
1
,
Chihiro NISHIJIMA
1
1金沢医療センター,皮膚科(主任:稲沖 真部長)
キーワード:
凍傷
,
寒冷刺激
,
低栄養
,
足趾壊死
,
抗血小板療法
Keyword:
凍傷
,
寒冷刺激
,
低栄養
,
足趾壊死
,
抗血小板療法
pp.1383-1387
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004110
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44歳,女性。3カ月前から手足の凍瘡様皮疹が生じ,強い疼痛を伴った。強い寒冷刺激への曝露はなかった。3月上旬に,手足の凍瘡様皮疹と足趾の壊死のため入院した。下肢動脈の閉塞や狭窄を示す検査異常はなかった。低栄養があったが,糖尿病,膠原病,血管炎,血栓症などの合併はなかった。凍傷と診断して保温や抗血小板薬の注射を含む治療を行った。5週間後に壊死した足趾の切断術を受け,2カ月後に創は上皮化した。自験例は何らかの原因による強い末梢循環障害があり,冬季の通常の気温低下により凍傷と同じ病変を生じたと推測した。強い寒冷刺激なしに凍傷が生じることはまれである。今後は,冬季に保温や血流低下を防ぐ治療を強化して経過を観察する必要がある。
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