Japanese
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特集 水疱症
コルヒチンの追加投与が有用であった後天性表皮水疱症の1例
Successful treatment of epidermolysis bullosa acquisita with colchicine combination therapy
小林 鮎子
1
,
水野 みどり
1
,
古賀 浩嗣
2
,
石井 文人
2
Ayuko KOBAYASHI
1
,
Midori MIZUNO
1
,
Hiroshi KOGA
2
,
Norito ISHII
2
1伊勢赤十字病院,皮膚科(主任:水野みどり部長)
2久留米大学医学部,皮膚科学教室(主任:名嘉眞武国教授)
キーワード:
後天性表皮水疱症
,
治療抵抗性
,
コルヒチン
,
ジアフェニルスルホン
Keyword:
後天性表皮水疱症
,
治療抵抗性
,
コルヒチン
,
ジアフェニルスルホン
pp.51-55
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002346
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55歳,男性。全身に瘙痒を伴う浮腫性紅斑,緊満性水疱が出現した。病理組織学的検査では表皮下水疱を認め,1M食塩水剝離皮膚を基質とした蛍光抗体間接法では,IgGが真皮側に陽性であった。免疫ブロット法では,290kDaのⅦ型コラーゲンに対する抗体を検出した。以上から後天性表皮水疱症と診断した。ステロイド内服を開始したが治療抵抗性でありジアフェニルスルホンを併用した。奏効するも,ステロイド減量に伴い再燃したため,コルヒチンの追加投与を行い,水疱の新生はおさまりステロイドの漸減が可能となった。後天性表皮水疱症はステロイド抵抗性で治療に難渋することも多いが,コルヒチンは重篤な副作用も少なく,有用な選択肢のひとつとなると考えられた。
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