Japanese
English
症例
異所性過誤腫性胸腺腫の1例
Ectopic hamartomatous thymoma
藤井 皓
1
,
八田 尚人
1
,
石井 貴之
1
Ko FUJII
1
,
Naohito HATTA
1
,
Takayuki ISHII
1
1富山県立中央病院,皮膚科(主任:八田尚人部長)
キーワード:
異所性過誤腫性胸腺腫
,
biphenotypic branchioma
Keyword:
異所性過誤腫性胸腺腫
,
biphenotypic branchioma
pp.667-670
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003913
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67歳,男性。30年前,鎖骨骨折後から同部に腫瘤があった。10年前から疼痛も自覚していた。左鎖骨骨頭部に弾性硬,長径42mm大の皮下腫瘤を認めた。病理組織学的には楕円形の核を有する紡錘形細胞が花むしろ状を呈して増殖し,これらを主体として上皮様細胞と脂肪細胞が不規則に混在していた。異型性や壊死は認めなかった。免疫染色では紡錘形細胞でcytokeratin,α-smooth muscle actin(α-SMA)が陽性を呈し,上皮様細胞はcytokeratin,α-SMA,androgen receptorが陽性であった。両成分ともにS-100,desminは陰性であった。以上の所見から異所性過誤腫性胸腺腫と診断した。胸骨鎖骨部に好発するまれな良性腫瘍であり,同部位の皮下腫瘍の鑑別疾患のひとつとなる。
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