Japanese
English
特集 ウイルス感染症
腹部帯状疱疹により麻痺性イレウスを呈したと考えられる高齢女性の1例
Paralytic ileus caused by herpes zoster on the abdomen
秋山 佑子
1
,
渡邊 陽香
1
,
岡本 真
2
,
大野 祐樹
1
Yuko AKIYAMA
1
,
Haruka WATANABE
1
,
Makoto OKAMOTO
2
,
Yuki OHNO
1
1JR東京総合病院,皮膚科(主任:大野祐樹医長)
2同,消化器内科
キーワード:
腹部帯状疱疹
,
麻痺性イレウス
,
水痘・帯状疱疹ウイルス
,
自律神経障害
Keyword:
腹部帯状疱疹
,
麻痺性イレウス
,
水痘・帯状疱疹ウイルス
,
自律神経障害
pp.1013-1017
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003323
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83歳,女性。1カ月前に左下腹部痛と腹部膨満感を自覚した。3週間前,左下腹部に水疱が出現し,近医皮膚科にて帯状疱疹の診断で内服加療された。その後,腹痛,腹部膨満感が増悪し,当院消化器内科入院,当科を受診した。精査にて器質的疾患を認めず,水痘・帯状疱疹ウイルスによる炎症が脊髄側角の自律神経に波及し,消化管蠕動運動低下をもたらしたのではないかと考えた。高齢者や基礎疾患がある場合,帯状疱疹に自律神経障害や運動神経障害が合併しやすいとされ,これらの患者で腹部の帯状疱疹を診察した際には,麻痺性イレウスや腹筋麻痺を合併する可能性があることを念頭に置き,必要に応じて他科と連携して診療に臨む必要があると考えた。
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