Japanese
English
特集 ウイルス感染症
全身状態不良患者に生じた単純ヘルペス性毛包炎の1例
Herpes simplex virus-induced folliculitis seen in a poorly-conditioned patient
岡本 修
1
,
柳井 優花
2
,
長松 顕太郎
2
,
小野 敬司
2
,
蒲池 綾子
3
,
橋本 裕之
4
Osamu OKAMOTO
1
,
Yuuka YANAI
2
,
Kentaro NAGAMATSU
2
,
Keiji ONO
2
,
Ayako GAMACHI
3
,
Hiroyuki HASHIMOTO
4
1大分市医師会立アルメイダ病院,皮膚科,部長
2同,血液内科
3同,臨床病理科
4同,形成外科
キーワード:
単純ヘルペス
,
ヘルペス性毛包炎
,
免疫抑制
Keyword:
単純ヘルペス
,
ヘルペス性毛包炎
,
免疫抑制
pp.1001-1004
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003319
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82歳,男性。芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍に対し化学療法中であった。3週間前に鼻孔部,口角部,舌に壊死性病変が出現し,潰瘍化した。単純ヘルペスの重症例と診断し,アシクロビルの点滴を行い,潰瘍は初診28日後に瘢痕治癒した。しかし原疾患により患者は翌日に死亡した。病理組織像では,毛包上皮に1型単純ヘルペス抗体染色陽性のウイルス性巨細胞が認められ,自験例を単純ヘルペス性毛包炎と診断した。免疫不全状態の患者では,単純ヘルペスは毛包などの深部器官に及ぶことがある。このため広範囲の潰瘍化など,通常の単純ヘルペスの臨床像から逸脱した症例に遭遇した際には生検などによりヘルペス感染の確定診断を行うとともに,基礎疾患の検索が重要と考えた。
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