Japanese
English
特集 ウイルス感染症
母親の乳房ヘルペスウイルス感染症より感染した全身型新生児ヘルペスの1例
Systemic neonatal herpes simplex virus(HSV) infection transmitted from maternal breast HSV infection
秋山 佑子
1
,
中嶋 智香子
1
,
久本 晃義
1
,
下山 陽也
1
,
平林 恵
1
,
谷田川 聡也
2
,
桒野 嘉弘
1
Yuko AKIYAMA
1
,
Chikako NAKASHIMA
1
,
Teruyoshi HISAMOTO
1
,
Hiroya SHIMOYAMA
1
,
Megumi HIRABAYASHI
1
,
Toshiya YATAGAWA
2
,
Yoshihiro KUWANO
1
1帝京大学医学部附属溝口病院,皮膚科(主任:桒野嘉弘教授)
2同,小児科
キーワード:
全身型新生児ヘルペスウイルス感染症
,
乳房ヘルペスウイルス感染症
,
単純ヘルペスウイルス
Keyword:
全身型新生児ヘルペスウイルス感染症
,
乳房ヘルペスウイルス感染症
,
単純ヘルペスウイルス
pp.997-1000
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003318
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日齢8,女児。日齢4より発熱し,当院小児科入院となった。抗菌薬点滴加療されるも発熱は持続し,呼吸状態は悪化した。日齢7より背部に浮腫性紅斑と水疱形成を認め,当科を紹介受診した。水疱部の単純ヘルペスウイルス(HSV)抗原検査は陽性,血清HSV特異抗原検査ではHSV1型抗原陽性となり,全身型新生児ヘルペスと診断した。アシクロビル静注療法により症状は軽快した。患児の母親の乳房部にHSV感染症の所見を認め,自験例の感染源と考えた。新生児HSV感染症はときに重篤化し,致死率が高い疾患であり,早期診断が重要である。病初期は非特異的な症状も多く,接触する家族,医療従事者への問診,検査などの積極的な介入が重要であると考えた。
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