Japanese
English
症例報告
壊死性筋膜炎の早期例
An early case of necrotizing fasciitis
北島 進司
1
,
山本 あい
1
,
徳田 瑞子
1
,
菅野 重
1
,
久野 芳範
1
,
辻 卓夫
1
Shinji KITAJIMA
1
,
Ai YAMAMOTO
1
,
Mizuko TOKUDA
1
,
Shigeru SUGANO
1
,
Yoshinori KUNO
1
,
Takuo TSUJI
1
1名古屋市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nagoya City University School of Medicine
キーワード:
壊死性筋膜炎
,
早期例
Keyword:
壊死性筋膜炎
,
早期例
pp.231-233
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903871
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82歳,女性.右前腕を猫にかまれた後,前腕と手背に紅斑と腫脹を生じた.蜂窩織炎の疑いで,入院にてフロモキセフの点滴静注を施行したが,3日で紅斑は上腕に,圧痛の範囲は右肩と右胸にまで拡大した.血液検査上DICの徴候を示したため,壊死性筋膜炎を疑い,紅斑と腫脹の強い前腕部を深筋膜直上まで切開し,皮下脂肪織と深筋膜との間を用手的に剥離し開放とし,抗生剤はピペラシリンとイミペネムの2剤併用とした.その後,皮疹,検査所見とも改善したが,右肘の紅斑と硬結が増悪したため,同部を切開・開放とし,ミノサイクリンを追加した.その後,手背に紅斑と圧痛が残ったが,メロペネムとミノサイクリンの点滴で軽快した.発症3日後に生検した前腕の紅斑部の組織では,皮下組織の最深部を中心に,密な好中球の浸潤と球菌の集塊がみられ,壊死性筋膜炎の早期の組織所見と思われた.
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